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専門家へのメッセージ

NEWS

12/6/13
書籍「社労士が見つけた!(本当は怖い)採用・労働契約の失敗事例55」6/13発売しました。
12/3/28
書籍「社労士が見つけた(本当は怖い)解雇・退職・休職実務の失敗事例55」3/28発売しました。
11/12/21
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)事業承継の失敗事例33」12/21発売しました。
11/11/2
書籍「税理士が見つけた!(本当は怖い)飲食業経理の失敗事例55」11/2発売しました。
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書籍「公認会計士が見つけた!(本当は怖い)グループ法人税務の失敗事例55」発売しました。

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アルコール依存症はクリニックで回復する改定版はコチラ

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アルコール依存症はクリニックで回復する
~高田馬場クリニックの実践~

新貝憲利(監修)
世良守行(編著)
米沢宏(編著)

アルコール依存症はクリニックで回復する

アルコール依存症とは何か

アルコール依存症の「薬物」

 身体への影響は脳も例外ではない。アルコールの脳に対する直接の作用としては中枢神経系への抑制作用を示す。少量の飲酒では大脳の新皮質がまず影響を受ける。大脳新 皮質は通常大脳旧皮質の機能を抑制するように働いている。しかしアルコールによって新皮質が麻痺すると、旧皮質の活動が活発になり軽い興奮状態になる。アルコールを飲 むと上機嫌になり、はめをはずしたりするのはこのためである。しかし血中アルコール濃度が上がるにつれ旧皮質や脳幹部も抑制され、意識の混濁や運動失調を起こすように なり、最後は意識をなくす。もしイッキ飲みなどで急速にアルコールの血中濃度が上がると、急激に脳の機能が抑制され急性アルコール中毒となり、最悪の場合は死に至る。
 アルコールの脳への影響はこれだけではない。長年にわたり脳の神経細胞がアルコールおよびアセトアルデヒドに浸され続けると、神経細胞に複雑な変化が起こり、脳のア ルコールに対する反応の仕方が変わってしまうのである。その変化とは、アルコールが一口でも身体の中に入ると脳が一種“しびれた”ような状態となり、その人の意志を超 えて、脳が「次の酒をよこせ!」と命令するようになってしまうのである。これがアルコール依存症の本態であり、飲酒のコントロール障害と呼んでいる。だから、「今日は 2杯でやめておこうと思うのに知らぬ間に5杯、10杯になっていた。ついつい飲み過ぎちゃうんだよねえ」というようなことになるのである。花粉症の人が花粉を吸い込んだ らくしゃみが止まらなくなるアレルギー反応のように、アルコール依存症の人は一口でも酒を飲んだら止まらない身体の反応が起こるのである。
 またアルコール依存症となった人が酒をやめたり減らしたりすると、手のふるえや不眠、発汗などの症状が現れることがよくある。ひどい場合は幻覚やけいれん発作なども 起こす。このような症状を離脱症状と呼ぶが、これは毎日のように飲酒することでアルコール漬けになっている身体が、アルコールが抜けることで一時的に神経系のバランス を崩すために起こるものである。神経系が一種の興奮状態になるのである。長年のアルコール摂取によって脳が変化していることがわかる。

本文中の「高田馬場クリニック」は現「慈友クリニック」となっております。